2/26に配布された1月作戦の報酬で「武装大発」「装甲艇(AB艇)」が新登場しました。

ありがたいことに、私は久々のランカー入り (二群) で両方とも入手できたので、せっかくだから検証でもやってみようと考えました。本記事はその記録です。
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1. はじめに

1.1. 何を調べるか
アナウンスにもある通り、この装備は対地だけでなく対PT小鬼群でも効果があるようです。
今回はこの対PT小鬼群補正のうち、攻撃力の補正倍率を調べます。
命中補正を調べるのは非常に難しいですが、ダメージの大小に関する検証は比較的簡単です。


1.2. 対PT小鬼群のダメージ計算

すでにイベントや7-3で戦った経験がある人は体感でなんとなく気づいているかもしれませんが、PT小鬼群は単に回避力が高いだけではなく、独自のダメージ(攻撃力)補正を持っています
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(wikiより。クリティカルでない場合はAがそのまま最終攻撃力となる)

小口径主砲、機銃、見張員といった有効な装備を何も持っていないと攻撃力が大幅に低下(キャップ後攻撃力 × 0.35 + 15)し、持たせれば持たせるほど掛け算で上昇する (装備補正1 × 装備補正2 × ……) という仕組みになっています。
上記の表にはいずれ「武装大発」「装甲艇(AB艇)」も追加されるはずで、今回はその倍率を推測してみようじゃないか、というわけです。


1.3. 注意

本記事の内容は「いち早く入手できたので軽く調査した結果、とりあえずこんな感じのようです」程度であり、色々な不確かさが含まれます (記事後半で具体的に述べます) 。
個人、かつ短期間 (昨日ゲットして今日記事作成) の調査で見えるものには限界があります。その点はご留意ください。



2. 調査

2.1. 未知の倍率を推測するには

上記の計算式をもう一度見てみましょう。
2021-02-27 17.08.32 wikiwiki.jp cbf153571423
「キャップ後攻撃力」は艦娘のステータスと装備から求まります。
駆逐艦の昼砲撃なのでキャップを考慮する必要はなく、軽巡砲や徹甲弾などの補正も関係ないため、事実上「基本攻撃力×キャップ前補正」がそのまま入ることになります。

複数の対PT装備を組み合わせた場合の「装備補正」は上記の表から分かります。未知なのは武装大発およびAB艇の補正倍率だけです。

「キャップ後補正」は今回の状況では該当するものが無いので無視できます。

さて、例えばこのような装備構成の艦娘を7-3のBマスに出撃させ、単縦陣小破未満でPT小鬼群を攻撃するとしましょう。
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調べたい補正倍率を として、★+1の効果を既存の大発系と同じと仮定すると、
このときの最終攻撃力は
{(火力 + 改修強化値 + 通常艦隊定数) × 0.35 + 15} × 装備補正1 × 装備補正2 × … × 交戦形態補正 から
{(76 + 1 + 5) × 0.35 + 15} × 2.1 × 1.1 × a × 交戦形態補正 = 100.947a × 交戦形態補正
となります。

ゲーム上で見えるダメージは [最終攻撃力 - 防御力] です。 ※ [ ] は小数点以下切り捨て
相手 (PT小鬼群) の防御力は乱数で変動しますが、装甲値があれば上限と下限は計算できます。

7-3-Bに出てくるPT小鬼群の装甲は29なので、防御力は
下限: 29 × 0.7 = 20.3
上限: 29 × 0.7 + 28 × 0.6 = 37.1
となります。

したがって、今回の状況における「調べたい補正倍率 a」と「ダメージの上限・下限」の関係は
[最終攻撃力 - 防御力の下限] = ダメージの上限
[最終攻撃力 - 防御力の上限] = ダメージの下限 なので


[100.947a
 × 交戦形態補正 - 20.3] = ダメージの上限
[100.947a
 × 交戦形態補正 - 37.1] = ダメージの下限
で表せます。これを変形すると、
2021-02-27 22.06.53 www.mathcha.io 2a57b56dd814
となります。

あとは実際に出撃してダメージの数値を記録していき、サンプルが集まったら「ダメージの上限」「ダメージの下限」に目ぼしい値を代入すれば の範囲がある程度わかります。


2.2. 測定

調査用の編成で7-3に出撃します。
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目視で「交戦形態」「ダメージ」「クリティカルか否か」を記録します。
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クリティカルか否かの判断は、「明らかに大きなダメージが出ていたらクリティカル」とします。
一見すると雑すぎる手法ですが、少なくとも今回の場合は (ある程度のサンプル数が集まれば) 問題ありません。
これは敵の装甲値が低いことでダメージの取りうる範囲が狭く、かつ通常ダメージの範囲とクリティカルの範囲が十分に離れており、推測が容易なためです。

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(参考例:小口径主砲2+見張員の場合のダメージ計算)
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3. 結果と考察

「交戦形態」「クリティカルの有無」の組み合わせは全部で8通りありますが、データが集まりやすい「クリティカルなし」「反航戦or同航戦」の場合における計算結果がこちらです。
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「最大ダメ推定」「最小ダメ推定」は、観測したダメージの最大値が「ダメージの上限」、最小値が「ダメージの下限」であると仮定して、上記の(1)と(2)に代入した結果です。


3.1. 言えること

この結果から、とりあえず「武装大発とAB艇の対PTダメージ補正倍率は1.2ぐらい」ということは言えるでしょう。
繰り返しになりますが、対PT小鬼群のダメージは取りうる値の範囲が狭いため、少ない試行回数でも範囲内をある程度カバーできると考えられ、倍率の絞り込みも比較的簡単です。


3.2. なんとも言えないこと

本当に倍率は1.2なのか?1.21だったり1.22だったりしないか?
わかりません。
式(1)(2)から、代入するダメージが1変化すると、計算結果は1/100〜1/80ほど変化します。
本記事のように少ないサンプル数では、最大・最小ダメージともに1以上の誤差はあると考えられるので、0.01単位の差までは判断できないのです。
よって、あくまで1.2ぐらいというのが本記事内での結論です。

・武装大発とAB艇の倍率に違いはないのか?
水戦と水爆が同じ倍率であるように、武装大発とAB艇も同じかもしれない、という「状況証拠に基づく推測」はできますが、計算結果だけではなんとも言えません。多分同じじゃないかな?

・武装大発とAB艇を両方積むとどうなるのか?
本記事の結果を利用すると、小口径主砲+見張員+武装大発1つで補正が1.98倍 (1.5×1.1×1.2) 程度になると予想できるので、両積みの艦娘でその想定を超えるダメージが出るかどうかを調べればいいわけですね。
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気が向いたらやってみます。
あと、私のように両方ゲットした提督さんがいたら是非お試しを (他力本願)


3.3. 考えられる活用法

たとえば過去のイベントでは陸上敵とPT小鬼群が同時に出現するマスもありました (例:19夏イベ「シングル作戦」E3のOマス) 。
対地補正の大きさにもよりますが、装備構成次第で両方に安定して対処できれば攻略の助けになるかもしれません。

特に神州丸はスロットの多さと装備カテゴリの広さを活かせそうです。
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これなら対地攻撃をにらみつつ、制空も補助しつつ、対PTのダメージ補正も2.05倍 (副砲1.3×水戦1.2×見張員1.1×AB艇1.2) 程度を見込めると思いますが、いかがでしょう。
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こんなところでしょうか。
長い記事になってしまいましたが、そもそもまだ投稿時点で実装から1日しか経ってないんですよね。
今後のさらなる検証 (私にもできそうなことがあればぜひご提案ください) と、次の作戦を楽しみに待ちたいと思います。