12月下旬開始予定の冬イベ (年末イベと呼ぶべきか) が近づいてまいりました。
提督の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

難関海域の攻略を目指して編成を組む際、あらかじめ計算しておくと有利なのが「制空」と「ダメージ」です。
とはいえ、複雑な式をバッチリ暗記していて、自力で計算できる…なんて提督はほとんどいないでしょう。
有志の方々が作った計算機の力を借りるのが一般的です。


そんな計算機ですが、一時期に比べてだいぶ種類が増えてきました。
例えば制空計算に関しては (私の知る限りでは) 以下の4つが挙げられます。
艦載機計算機
制空権計算機 - 艦これ計算機
制空争いシミュレータカッコカリ
制空権シミュレータ(←2019.12.25追記)

それぞれ操作法や特徴は異なるものの、どれも扱いやすく計算結果が分かりやすいので、今回の記事では制空系の計算機には触れません。
(いや分かんねーよ解説してくれよ、というリクエストがあればぜひお寄せください)


今回の主役はズバリ「ダメージ計算機」です。
どちらかといえば老舗であり、後発の計算機と比べると見た目が地味で取っつきにくいかもしれませんが、うまく使えば今でも大いに活躍してくれます。

本記事では具体例を挙げながら、ダメージ計算機の活用法を紹介していきます。


◆注意事項
・本記事は、計算機が提供する情報の正確性を保証するものではありません。
 計算機は「あくまで目安」という意識で利用することをお勧めします。
・記事中に登場する艦娘の装備は一例であり、必ずしも最適解とは限りません。


◆ダメージ計算機の操作方法
① 「シーン選択」で戦闘の種類を指定する
② 「攻撃内容」で
 ・攻撃種別装備の種類 (カットインの場合、画面表示に対応するもの) を指定する
 ・自艦のステータス (火力、雷装など) を入力する
 ・(厳密に計算したい場合は) 特効の有無を指定する
 ・装備の改修状況を入力する
③  「被弾艦装甲」のメニューから敵艦を指定する (または装甲値を入力する)
④ (厳密に計算したい場合は)「交戦形態」「攻撃陣形」「損傷度」「弾薬残量」を指定する


◆活用法
ダメージ計算機が最も活きるのは「有効打になるかどうかの境界線」を把握したい時です。
もちろん「有効打」の定義は状況によって異なります。

①道中戦の場合
危険な敵の攻撃を阻止して、なるべく安全に進むのが道中戦の理想です。

相手が戦艦なら、砲撃戦の1手目で大破か撃沈に追い込めば味方の損害を減らせます。
相手が空母なら、撃沈できなくても行動前に中破させられればOK。
重巡以下の敵なら、雷撃戦までに撃沈するか、せめて中破させたいところです。
→ 「敵艦の耐久」と「計算結果」を見比べて、どれくらいの確率で中破以上のダメージを与えられるかがチェックポイントです。
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この例では攻撃対象であるヲ級改の耐久が160なので、一撃で中破させるには80以上のダメージが必要です。
計算結果は通常で「91163」、クリティカルで「214286」。
攻撃が当たりさえすれば中破以上は確定 (クリティカルなら撃沈確定) ということになります。
(カットインではなく連撃について見る場合は、「弾着観測」の指定を「連撃」に変更するだけでOKです)

どれくらいの確率で」の部分は計算結果に直接表示されるわけではありませんが、最低値・最高値目的の値との差に注目することで大まかに判断できます。
例えば計算結果が「59〜131」なら…
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計算結果を踏まえて、想定通りの艦娘・装備で出撃するか、もっと火力の高い組み合わせにするか、検討しましょう。


②ボス戦の場合
海域クリアのためにはボスを撃破する必要があります。
撃破のためには「装甲を抜けるかどうか」、つまり攻撃力が敵の装甲を上回っているかどうかが勝負の分かれ目です。
攻撃力が足りない場合は「割合ダメージ」となり、撃破にはつながりません。
→ 「計算結果」で「割合ダメージ」が表示されないか、表示される場合はどれくらいの確率で発生するか、がチェックポイントです。

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2つの例について、それぞれ解説します。

(1) 夜戦連撃
計算結果は「割合ダメ率:29.3%」となっています。
表示される割合ダメ率は「1回殴って命中した時に装甲を抜けない確率」と言い換えられます。

では、この夕立にトドメ役を任せるとしたら、「29.3%」は高いでしょうか?低いでしょうか?

夜戦連撃=2回攻撃ですから、どちらか1回でも装甲を抜いてくれれば理論上トドメの役割を果たせます。
2回とも割合ダメージになる確率」は0.293×0.293≒0.086、つまり8.6%程度です。
(攻撃が回避される可能性も考慮すると、最終的な「2回殴っても倒せない確率」はもう少し大きくなります)


(2) 夜戦カットイン
こちらは「割合ダメージ」の表示がないので、カットインが命中すれば確実に装甲を抜けることがわかります。
攻撃は2回行われるので、敵の耐久が多めに残っていても一気に撃沈できるかもしれません。

ただしLv90、運20の夕立なので、見張員補正を含めてもカットイン発動率は38%程度です。 [参考]
カットインが出ないと割合ダメージ率52.1%の単発攻撃になってしまいます (攻撃種別を「通常攻撃」に変えてみましょう)。


(1)(2)の結果や他の艦娘と装備などを踏まえて、「夕立にトドメ(夜戦6番手)を任せるか否か」「連撃にするかカットインにするか」などを検討しましょう。
もっと安定してダメージを出せる艦娘がいるなら夕立は2〜3番手に回した方がいいかもしれませんし、夕立に全てを託すしかない状況ならトドメを任せるのが妥当かもしれません。


◆上手に使うコツ
ご存知の通り、戦闘中の不確定要素はダメージ以外にも色々あります。
一番殴ってほしい敵を狙ってくれないとか、夜戦で順番が来るまでに敵の随伴艦を一掃できないといったケースも時にはあるでしょう。

でも、もしビスマルクがヲ級改を狙ってくれた、あるいは夕立がボスを狙ってくれた時、それが有効打にならなかったら勿体ないですよね。
計画通りに戦闘が進んだ時の攻撃成功率を高めるのがダメージ計算機の役目、と言えそうです。

裏を返せば、ダメージ計算機に計画そのものの不備を見抜く力はありません
まずは戦闘の流れを考えながら計画 (=大まかな編成、装備構成など) を固めていき、最後の仕上げにダメージ計算機を使う、といった流れが理想的だと思います。

また、他の人の攻略編成を見つけた時に「この人の装備構成でどの程度のダメージが見込めるか」「自分の手持ちで再現したらどうなるか」を確認するのにも使えます。
真似できる編成なのか?真似していい編成なのか?を事前に見極められると、より精度の高い采配ができるかもしれません。



イベントでの皆様の健闘を祈ります。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。